自社株対策はご相談ください

 先日、関与先の社長と事業承継セミナに参加してきました。内容はあまり中身のあるものではなく、中小企業経営者の自社株に対する不安をあおるものでした。自社株のことは常に意識した経営は必要ですが、あまり過激な対策は副作用を伴うことに注意してください。

(龍前篤司, 9/16)

 事業承継のセミナに参加しました。その中身は、「自社株の計算をしてその防衛をしましょう」ということでした。その自社株防衛のテクニックとして持ち株会や金庫株を使った方法の紹介はありましたが、特に新しい手法やテクニックの話は全く出ませんでした。にもかかわらず、その研修は有料(15000円)であるというのに満席でした。

 自社株の価格がかなり高くなっている中小企業では、持株会や持株会社等の検討はもう既にされているところが多いでしょうし、金庫株の使い方も既にある程度検討されているところが多いのだろうと思っていました。

 中小企業の中でも自社株の価格が高くなっている会社は、過去にかなり優良な業績を計上し、含み益のある資産を多く所有し、現在でもいい業績を上げている会社ということになります。バブル崩壊後、既に12年経過しているわけですから、自社株対策を考えている企業であれば既に相当な対策は実施済みのはずであり、過激な自社株対策をこれからやらなくてはならない企業の数はそう多くないはずです。未だに自社株の評価もしたことのない優良企業が世の中にそんなに多く存在しているのか疑問です。

 しかしながら、自社株防衛セミナに多くの中小企業経営者が参加している現実は、株式対策をやっていない会社が多いということなのだと思います。
 私は自社株対策について、圧倒的に効果的な対策がないことはありませんがその必要性がある会社はそう多くはないと思っています。株が分散した場合の恐怖をいたずらにあおり、高いコンサル料を多くの企業からせしめるビジネスモデルとしてはたいへん参考になりました。

 自社株対策は、何よりも会社経営にとってマイナスにならないという観点が大事であり、極端な対策を安易にとるとその副作用についても配慮しておかなければなりません。したがって、このようなセミナに参加してこのセミナを主催するコンサルタントに株価対策を依頼することはかなり危険なことだと思います。
 事業承継をうまく行うために必要なことはいろいろあります。一つの対策を実施すればうまくいくものではないのです。総合的にある程度時間をかけて行うことが必要なのだと思っています。
 武蔵経営は取引相場のない株価計算ができる者が多く存在しています(参加したセミナの講師は株価計算できる税理士は100人のうち2人しかいないと言っていました)。毎年株価計算している企業も多くあります。毎年株の贈与をしている会社も多くあります。既に全て後継者に株が移転している企業も多くあります。
 事業承継はあまり過激に考える必要は多くの場合ありません。緊急な場合には過激でテクニカルな方法も必要となりますが、なるべくそんな事態にならないことの方が重要だと思います。
 ぜひ自社株対策で不安を抱える人はご相談ください。

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