「バカの壁」を認識することの大切さ

 「バカの壁」という本が話題となっています(著者:養老孟司、新潮社)。話しても分からないバカの壁を誰もが持っており、もともと「知りたくないことに耳を貸さない」から話が通じないのがバカの壁です。この壁を意識することはとても大切なことだと思いました。

(龍前篤司, 9/30)

 今話題の本「バカの壁」を読みました。脳の働きが入力された情報に対してどんな反応をするかは人によって異なるのは当たり前で、ある分野の情報の入力に対しては脳が全く反応しないというのをこの本では「バカの壁」と表現しており、とてもわかりやすい本です。

 このバカの壁を意識しないで「話せば分かる」と思い込んで無駄な努力を続けている場合が結構多いのかもしれません。夫婦もそうだし、職場の部下に対してもバカの壁を意識することは人間関係をより効率的に規律・調整することができるのだろうと思いました。民族的な対立や宗教的な対立も、その間には多くのバカの壁が存在しているのだろうとも思います。

 考えてみれば私たちは自分をあまり冷静に分析したりしていません。昔の人は平家物語の「祇園精舎の鐘の音、諸行無常の響きあり」やら方丈記の「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず」などで詠われているように、絶えず変わっていく自分を見つめています。

 「私は私だ」と自らの価値観だけを前面に押し出して、強引に周りを引っ張っていく経営者は、経営者としてある程度成功しているケースはかなりあると思います。しかしながら、それでも「自らのバカの壁を意識している」かどうかはその人の真の信奉者の数を左右しているような気がします。

 したがって、本当に成功した経営者とお話していつも思うのは、「聞き上手」であるということ、すなわちバカの壁をきちんと認識しているということです。会社経営の秘訣はこの従業員との間のバカの壁や中間管理職との間のバカの壁をしっかり認識して、「元々無理なことを相手に期待しないこと」はたいへん重要なことだと思います。

 考えてみれば夫婦でも同じですよね。お互いを隔てる「高いバカの壁」を意識して、その壁が隔てる分野で無駄なエネルギーをロスしないことは夫婦円満の秘訣なのかもしれません。

 そんなことをバカの壁を読んで思いました。養老孟司さん(著者)ありがとうございました。


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