欺瞞に満ちた「年金改革」
小泉内閣の現役閣僚3人が国民年金を支払っていなかったにもかかわらず、4月25日の統一補選では自民党候補が全勝した。小泉内閣はこれにより「年金改革」法案は信任されたとして連休前に強行採決する見込みであるというが、こんなことでいいのだろうか?
(龍前 篤司, 4/26)
現役閣僚の3人が国民年金を支払っていなかったということも驚きであるが、もっと驚いたことは、こんなふざけた状態であるにもかかわらず統一補選で自民党は完勝したことである。
国民年金をめぐる一連の騒動はもはや、まるで漫画である。幾つかの疑問を箇条書きにすると、
@未払い率が37.2%で今後もこんなことでは急激に未払いが増えるのは明らかなのにこの問題にふたをして「年金改革」はありえない。
A厚生年金は給料天引きだから未払いの問題はないにしても、現在20代の人たちがもらえる年金は払った保険料の2倍程度であり、現在受領している人たちの7倍とくらべるととても不公平である。
B受給額が40年かけて支払った金額の2倍というのは会社負担分が個人負担分と同額あるのだから実質的に支払った保険料分しかもらえないのであり、公的な制度としての存在意義さえ疑問である。
Cこの数値は物価上昇率1%、賃金上昇率2%、運用利回り3.25%、出生率が1.39%という甘い前提で算出されていて、この前提が崩れればこの数値は全くあてにならないのである。あてにならない数値を前提に「年金改革」もないものである。
D保険料で負担するにしても税金で負担するにしても、国民負担という点では同じであり、どう給付額を減らせるかの議論を徹底的に行うのが本当の年金改革であろう。
以上のように、年金改革が、国民年金の未納率の抜本的な改善等の策を論ずることなしに、国庫負担金の割合を増やすことや保険料率を毎年上げることを安易に決定していいのであろうか。
年金改革は我が国の年金制度に対する国民の信頼の回復なしには実現できないことは明らかなのである。そのためには、国民年金の未納防止策や少子化の進行に対する対応がとても重要である。特に今後の人口問題については真剣に対応策を議論することが必要であり、「票が怖いから給付水準を下げない」なんて対応を続けていては世代間の不公平感を助長し、若者の年金離れが加速するのは必至である。
問題の先延ばしにより、若い世代に負担を寄せるのではなく、現在受領している人たちの年金の給付水準の引下げを含めた議論をして、「世代間で痛みを分かち合う年金改革」にしないと年金制度に対する若者の信頼は獲得できないのではないか。特に平均寿命が延びて、60代はまだ現役世代として勤労すべきなのであり、年金の支給時期を大幅に遅らせる議論こそ年金保険料率の引上げ以上に重要だと思うのですが・・・
ほんとうの「年金改革」をしないと私たちの年金制度はいずれ破綻するのは間違いありません。国債を大量に発行し続けるのと同じように、この問題でも問題を先延ばしするのでしょうか?
世代間で痛みを分かち合う本当の年金改革議論をすべきだと思います。
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