地価の反転現象始まる

 都心部の地価が反転し始めているという。東京都の千代田区、中央区、港区のいわゆる都心3区では、既に4年前から地価が上昇し始めていたが、最近になって他の地域でも地価が急上昇している地区が出現しているという。これは注目すべき現象である。


(龍前 篤司, 6/15)


 週間東洋経済の6月12日号の特集が「不動産底値買いの勝算」で、週間ダイヤモンドの6月19日号の特集が「地価総予測」という題目で、相次いで地価の動向を特集している。

 平成2年のバブルのピークから既に13年以上全国的には資産デフレが継続し、特に地方都市においては下落率が強まっており(底割れ現象)、先が全く見えない深刻な状態である。
 その一方で、都心3区では既に4年前に地価の下落は止まり、地価は上昇に転じていたが、ここにきてこの地価の上昇が急激になっているようである。

 まず、週間東洋経済の記事から紹介すると、最近の不動産市場の特徴は
 @地方経済の低迷を反映して地方都市の地価は2桁下落から抜け出せず、都心では地価上昇の地域が拡大しているという地価の2極化と一極集中傾向が強まっていること。
 A従来ならば同じエリアであればその区域内の土地は同じような値動きを示したが、現在は同じエリアであってもピンポイントで上昇する土地と下落する土地が隣接するなど、地価の個別性が強まっていること。
 B地価の急上昇の背景は、銀行や企業が供給する収益性の見込める物件や優良物件の担保が付いた不良債権について、内外資入り乱れての争奪戦が行われていることが原因となっている。特に、企業の損失覚悟の財務リストラによる売却物件を外資やREITが積極的に購入していることが地価の急騰を招いている。

 この記事で特徴的なことは、@都心部での地価は、例えば競争入札などの場合に参考価格の倍以上の金額でなければ落札できないような例が出現していること、A実勢価格が上昇した地点が、山手線の外に向かって広がっている(浦和あたりは7.5%〜9.5%上昇と表示されている!)ことが注目される。

 もう一つの週間ダイヤモンドの記事であるが、東洋経済の記事よりも都心の周辺部についての地価動向を抑えて描いている。日本一の地価高騰地区として「ミニバブルに沸く表参道“裏原宿”の民家買い漁りの現場」を紹介している。特に表参道の新築ビルの賃貸価格が80社の競争入札によりなんと坪25万円で落札されたという。
 このような現象は、今後の都心部の地価急騰を予想させるに十分な現象である。
 その一方でマンション価格調査については、「東京・神奈川は価格上昇、埼玉・千葉は下落傾向続く」としている。したがって、地価上昇区域の広がりにより埼玉県でも一部の上昇ポイントは出現しているものの、マンションの動向から見る限り、埼玉県の地価の本格的な反転現象はまだみられないようである。
 
しかし、地価を巡る情勢が変わってきたことだけは間違いないようである。




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