中小企業の3月決算をどう読むか?
上場企業の3月決算については、発表されている通り史上最高の利益を計上している企業も多く見られ、かなり景気回復の状況を顕著に示すものとなっている。ところが、その景気回復も大企業中心であり、中小企業にあっては景気回復の実感に乏しいというのが現状である。
(龍前 篤司, 6/21)
ある大手税理士事務所の関与先の3月決算の統計が発表されましたので、その数値を見ながら、「中小企業にとっての3月決算」の状況を概観したいと思います。
まずはじめに、この大手税理士事務所の統計資料は、あくまで中小企業のデータを集計しており、売上規模1000万未満14社、1000万〜5000万24社、5000万〜1億24社、1億〜5億39社、5億〜10億16社、10億〜50億14社、50億以上8社、というまさに中小企業が対象となっています。
これによると、2003年3月決算に比較して
これらの中小企業の2004年3月決算の数値は、売上高が5.6%増加したが、営業利益は5.2%減少した。経費面では人件費を6.8%減少させる一方で、役員報酬は11%増加させ、交際費も8.4%増やしている。
デフレを反映して売上高総利益率(粗利率)は3.65%悪化し、売上高営業利益率は10.2%、売上高経常利益率も4.9%それぞれ悪化している。その中で、労働分配率は5.9%改善し、55.27%となっている。
このような数値を見ると、
@中小企業においては景気回復の著しい兆候は全く見えない
Aただし、人件費の削減はすすんでおり、中小企業においても人件費を抑制していることが如実に顕れている。
B役員報酬と交際費の増加は、中小企業においても一部の好調企業が出現していることを示している。
いずれにしても、中小企業における景気回復は今年の3月決算を見る限り顕著な数字となって顕れていない。しかも、現在の中小企業経営は「景気が良いからわが社も良くなる」なんて他律的に校長になるなんてことは期待できず、あくまで他の企業と差別化による顧客満足が前提であるということを忘れてはならないのである。
|