財産診断と遺言のすすめ
相続税の財産評価通達が改正され、面積が広大な土地の評価方法が大幅に変わりました。これによって、広大な更地の評価額は大幅に減少しますが、既にアパートやマンションをを建ててしまった広大な敷地の評価額は減少しないことになります。このことにより、従来の相続対策は変更を余儀なくされるため、財産の総合的な見直しが求められます。
(龍前 篤司, 8/18)
既報のとおり、面積広大地の評価方法が変わりました。即ち、従来は開発により犠牲となる予定面積(潰れ地)の割合を控除して評価していた面積が広大な土地の評価は、新しい通達により4割以上の減額が面積によって機械的にできるようになったわけです。
広大な土地を多く地主さんにとって、この通達改正の影響はとても大きく、負担すべき相続税が半減する地主さんも多く出現しています。
しかし、数多くの狭小貸付地を所有する地主さんや、面積が広大な土地には既にアパートやマンションを建ててしまった地主さんにとっては今回の通達改正の恩恵はあまり期待できません。
したがって、今回の通達改正は、「何もやらなかった地主さんは大きな減税となり、節税対策をかなりやった地主さんには減税効果が少ない」という結果をもたらしています。
そして、より深刻な問題は、更地より、現実の売却価値が著しく低いマンション敷地の評価のほうが高く評価されるという「現実とは逆」の評価額になることです。このような「現実とは逆の評価」は、租税にとって最も尊重されるべき「課税の公平」という原則を損なうものです。
この課税の公平を維持するためには、広大な敷地に建設したアパートやマンションの敷地についてもこの「広大地の減額」を認めるか、それともこのようなアバウトな減額をするのではなく路線価の評価水準を5割程度に下げることにより、広大地が時価以上に評価されてしまう問題を回避すべきなのです。
しかしながら、今回の通達改正によって、広大な土地の評価が激減したことは事実であり、これによって、多くの地主の負担すべき相続税が激減しているのです。この事実は財産診断によりキチンと把握すべきだと思います。そして、負担すべき相続税に大きな異動がある以上、全体の財産についての最適活用と最適保有について見直し、納税戦略と分割戦略を再検討すべきなのです。また、新しい評価減の可能性の検討や遺言の作成や見直しも必要となります。そのためにも全体の財産についての診断は不可欠となります。
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