平成17年の税制改正案と増税時代の到来

 平成17年の税制改正案が国会に上程されました。自民党の税制調査会が昨年12月はじめに作成した税制改正大綱は、今後国会の場で予算関連法案として議論され、例年、3月末頃成立することになります。注意しなければならないのは、これから「増税の時代」が到来することです。

(龍前 篤司, 2/20)

 今年の税制改正法案がさる2月4日に国会に上程されました。既報のとおり、今年の税制改正案はあまり見るべきものはないのですが、実際に法案をみても税制改正大綱と変わりありません。
 したがって、今回の改正では「定率減税の半分縮小」という程度しかインパクトのある改正はありません。しかもその実施は18年の1月からというのですから、実際に再来年の確定申告時までその負担増を実感しなくて済むわけです。
 しかし、忘れてならないことは、最近の税制改正はすべて「増税を先送りして減税を先行させている」ことです。したがって、今回の税制改正による増税が平成18年から実施されるように、過去の改正による増税の実施が今後に控えているのです。
 今年から負担が増えるものとして
@個人事業者の消費税の非課税限度額(免税点)の引き下げ
 免税点が3000万から1000万に引き下げられましたので、平成15年の課税売上が1000万円を超える個人事業者は消費税の課税事業者となります。
A公的年金の老年者優遇の廃止
 65歳以上の人は公的年金等控除額が上乗せされていましたが、これが今年から廃止されますので、65歳以上の方の公的年金の税負担が今年から増えます。
B老年者控除の廃止
 65歳以上の人は今まで50万円という老年者控除が認められていたのですが、これが今年から廃止されます。
 以上のように、今年の税制改正ではあまり負担増はないのですが、過去の税制改正で成立した増税が今年から実施されるものだけでも、かなりあることになります。
 今後、小泉内閣の終了とともに「消費税の大増税」が行われることは必至でしょうし、現在優遇されている株や配当に対する金融資産所得に対する課税も当然強化されます。
 その他にも、相続税の基礎控除の引き下げやら、所得税の課税最低限の引き下げも検討課題として残っています。しかも、年金や健康保険についての負担増を毎年行っても、その赤字は解消されそうにありません。
 今後私たちの社会は、少子高齢化の進行とともに「高負担社会」が到来するのは必至の情勢となっています。今年の税制改正の裏側に、「高負担の先送り」という無責任な現実が隠れています。
 このような現実を見据えて、将来設計が求められているのですが、政治家が明確な将来設計図を示してくれないのですから、私たちがなかなか将来のことを考えられません。
 しかし、少なくとも将来の負担増に対するリスクに備えて、資産のポートフォリオ(分散)や「コスト削減と現在利益の確保」や「経営のスリム化」等は考えておく必要があるのではないでしょうか?




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