MBA流を鵜呑みにした'管理屋'が招く大混乱

社員にMBA(経営学修士)の取得を奨励する企業が最近再び増加していますが、MBAを取得した社員が数字ばかり重視して、人間関係の構築を軽んじるために職場を混乱させるケースも多いようです。日本的な経営にあっては、理論に走る前に職場での強固な人間関係の再構築こそ求められているようです。

(龍前 篤司, 9/21)

WEDGE9月号に面白い記事(筆者 岩瀬 達哉)が載っていたので紹介します。

その内容は、最近の好景気を反映してか、社員にMBAの取得を奨励して国際市場での経営知識を身に付けさせようとする企業が増えているようです。MBA取得者は数字や理論に裏づけされた米国流のマネジメント手法を身につけてくるが、それを信奉するあまり、ビジネスの現場では人間関係を重視する組織に混乱をもたらす例も少なくないようです。
結局、「経営とは本来、人間の心を扱うもの。その原点を忘れてしまえば、MBA流の蔓延は‘管理屋’の乱造を招くだけだ。」ということのようです。
(1) 管理屋に陥るMBA取得者の落とし穴
  MBA取得者は「ファイナンスや投資理論に加え、法的検証能力などを身につけ、企業が直面している課題をスピーディに解決する」ための専門知識を備えているわけですが、彼らが管理者になった時、必ずしもその高度な専門知識を活かし、職場を引っ張っているわけではなく、混乱を招きいれているケースも多いようです。
これは、MBA的な管理手法にとらわれすぎ、単なる管理屋の落とし穴にはまりこんでしまうことが多いことが原因しているようです。
(2) 数字礼賛主義に走れば士気は失われる
  MBA取得者は数字をマジックのように使いたがり、様々な計算をして収益可能性を引き出すが、その答えは計算の基礎となる条件によりどのようにでも変わりうるのに、そんな数字に自縄自縛になるという。
確かに数字に一定の現状分析はできても、事業そのものを進化させることはできない。事業を進化させるのは社員のやる気であり、そのやる気をそぎ、創造性豊な発想をそぐのが行き過ぎた数字による管理です。
(3) 必要なのは理論の前に人間関係の構築
  MBAで取得したスキルは万能なものさしではないものの、合理的な判断をくだすうえで有用、選択の幅を広げてくれる貴重なツールです。MBAは行政上の管理手法としては重宝しますが、それは経営の一部でしかありません。経営とは人間の心を扱う分野でもあり、数字だけでは割り切れません。あくまでひとつの目安とし、心の通った経営を心がける必要があります。
そして「本来、MBA的経営手法は多種多様な価値観や宗教観が混在する米国において、効率的企業経営を追求するものとして誕生した。米国と違い経営者と従業員が運命共同体の関係にあり、職場の和を重んじる集団主義によって会社が運営されている日本では、その理論への偏重は組織をおかしくするといっていいだろう。日本的経営にあっては、理論に走る前に職場での強固な人間関係の再構築こそ求められている。」と結んでいます。


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