家計の金融資産がリスクマネーにシフト

日銀が発表した今年6月末の金融循環(速報)によると、投資信託や国債の大幅な伸びなどで家計の金融資産残高が過去最高を記録したそうです。家計の金融資産が明らかにリスクマネーにシフトして景気回復に好影響を与えているようです。

(龍前 篤司, 10/19)

日銀の発表によると、家計の金融資産残高は1,433兆749億円に達し、前年同期比で0.7%増加しました。その内訳をみると国債・財投債が52%増の23兆9331億円、投信は18.8%増の40兆9843億円といずれも過去最高を記録し、一方で預貯金は0.7%減の780兆5039億円だったそうです。
なかでも、郵便貯金の残高は6月末で209兆9885億円と、ピークの2001年3月期に比べ、2割近く減っているようです。

いまだかつてこれほど低金利が長期間継続したことは世界的にもないのですが、それでも日本人は預貯金を増やし続けました。しかし、最近、どうやら家計の資金の流れは確実に変化してきたようです。

この原因はいくつも考えられます。郵便局の高利回り定額貯金が満期を迎えていること、金融の規制緩和による銀行での投信販売やネット証券の普及、景気回復に伴う企業収益の増加による家計収入への波及、銀行での積極的な投信販売等、がその原因と言われています。

この780兆円という超巨額な預貯金が、今後も徐々にリスクマネーにシフトしてゆくとすれば、日本の証券市場は、しばらくは期待が持てる展開になるはずです。

バブル崩壊以降、ほとんど全ての日本人が、「リスクマネーから撤退し、借金返済や預貯金へ」と資金を運用してきました。その結果、湯水のように国債を発行して景気対策を行っても、それ以上に家計が借金返済と預貯金に励んだために、日本の経済規模は縮小し、不景気が続いたわけです。

家計の金融資産が超低金利の預貯金から、株や社債に流れて、株価の上昇がさらに個人の金融資産を増加させ、投資額が拡大するという好循環が生まれれば、経済活性化に大いに貢献することになります。
さわかみ投信の社長である澤上篤人氏は、日本株が当面騰がるしかない4つの理由として
(1) 構造的売り要因がなくなってきた〜年金基金の代行返上売り、持ち合い解消売りなど、構造的売り要因が解消へと向かってきた。
(2) 政策保有が10%台まで低下してきた〜持合などの政策保有割合が大幅に低下し、企業価値を高める必要性がこれまでにないほど高まってきた。
(3) 個人投資家の動きが活発になってきた
(4) 機関投資家が「持たざるリスク」に気付く
を挙げている。
今後、団塊の世代が大量に退職し、退職金と体力と時間をもつ60歳以上のシニア人口が、2000年には3000万人だったのが2010年には4000万人になることも考え合わせると、本当に「日本株は当面騰がるしかない」のかもしれない?



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