公示制度の全廃は疑問?
平成18年の税制改正の中で、「特殊支配同族会社の社長給与の一部損金不算入」という改正は、今後の社会のあり方に大きな影響を与える改正であるとしてFAXニュース等で何度も紹介してきました。
しかし、それ以上に大きな影響を与える改正が「公示制度の廃止」という改正です。
(龍前 篤司, 2/24)
まず、この公示制度についてですが、日本においては「第3者による脱税の監視」を目的として昭和25年に制度ができて以来、所得税、相続税・贈与税、法人税の高額申告者を50年以上の長きにわたって公示してきました。特に個人所得税の公示については、毎年5月中旬に日本の経済動向を如実に反映するものとして毎年大きな話題となってきました。
この公示制度が、平成18年の改正案によると今年の4月からは全面的に廃止されしまうわけです。
所得税や相続税・贈与税等個人の番付発表については、セールスに利用されたり、犯罪の標的にされかねない畏れ等の理由から、廃止する理由はわかります。しかし今回の改正では、法人税の公示も廃止されることになっています。法人は社会の公器であり、個人と同一には論じられず、企業がどの程度納税しているか開示することにそれなりの意義があり、この制度を廃止するのは少し疑問です。
特に、今年の5月から新商法が施行され、誰でも1円で株式会社を設立できるようになります。そうなると、形だけの信用できない会社なのか、それともキチンと納税している会社なのかを判断する制度として法人の申告所得を公示する制度には大きな存在意義があることになります。税制調査会での議論も、法人税の長者番付の公示については、その廃止に反対する意見が強かったはずです。
どうも、今年の税制改正は少し乱暴なような気がします。
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