商法改正に伴う税制の改正に注意

(龍前 篤司, 5/22)

 今月からいよいよ商法の大改正により新しく誕生した会社法が施行され、会社経営の最も基本的なルールが変更されました。これにより、ほとんどの会社が定款の見直しをして、登記事項の変更を余儀なくされています。そして新しい会社法の施行により、従来の「暗黙のルールには従わなくてはならないが、商法の明文規定はあまり尊重しなくてもいい」という他の国からは理解しがたい日本の会社経営のルールが変わるわけです。
  したがって、有限会社の廃止をはじめ、最低資本金制度、類似商号制度の廃止というドラスティックな改正も重要ですが、もっと重要な変化は従来守らなくて良かった(?) 「決算公告」や「株主総会や取締役会の開催」、「重要事項の審議や議事録の整備」、「会計処理規則の遵守」というオフィシャルなルールを守らなくてはならない社会になるということなのです。
 もちろん商法が改正されたくらいで、日本社会における「契約よりも人を信用して取引する」という基本的な文化や風土がそう簡単に法律や契約を守る社会に変化するはずはないと主張する人もいます。しかしインターネットの普及等により、ビジネスの世界は急速にグローバル化しており、私たち中小企業も必然的に世界を相手にしなければならない時代が既に到来しているのです。たとえ外国取引とは関係ない中小企業であっても
「明文のルールを守らない会社とは取引しない」という社会になるのは必然といえます。

 商法の改正にあわせて、税法も変わります。特に中小企業経営者にとって重大な影響があるのは、役員給与に関する取扱いです。
 まず、役員給与に関する取扱いですが、今度の会社法は役員の賞与を利益処分という考え方ではなく、期間費用として扱っています。これに対応して法人税では、従来どおりの「定期同額の役員報酬」についての損金算入は変わりませんが、事前に具体的な支給金額についての届出があれば同額でない役員給与についても損金算入を認めるようになりました。したがって、「6月と12月は通常月の2倍の役員報酬」等の支払い方をしても事前届出をしておけば損金算入されることになりました。
 この取扱いの変更によって注意しなければならないのは、従来認められていた期首に遡っての役員報酬の変更をして差額を一括支給することや、期中での役員報酬の増加等はいずれも事前の届出がない限り認められなくなるということです。本来は役員給与の支払い方の多様性を認める改正なのですが、実質的には「届出がない限り定期同額給与しか認めない」という厳しい改正になりそうです。

  ただし、この適用は今年の4月1日以降に開始する事業年度からですので注意してください。そしてこの「事前届出」についてですが、株主総会で定められた役員の「職務執行開始の日か、会計期間の開始の日から3ヶ月を経過する日のどちらか早い日」となっています。
 そして、今年に限っては経過措置により6月30日までに届出を出せばこの取扱いを認めることになっています。
 わが武蔵経営では、このビジネスのあらゆる分野に大きな影響を与える商法改正について、6月5日(月)13時10分より大宮のソニック9階906号室においてセミナーを実施し、私たちがどのような影響を受け、どう対応したら良いかについて考えます。是非ご参加下さい。



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