電子納税減税でデジタル化社会が急接近?!
平成19年2月21日
デジタル社会で生き残るために必要なことは?

1.電子申告がやたらと宣伝される理由
最近テレビのCM等で盛んに宣伝されている「電子申告」ですが、法人税や所得税の電子申告は既に2004年の6月から開始されています。それなのに、最近になってやたらと宣伝されるのは、いったいどういう理由からなのでしょうか?
この電子申告は全ての行政窓口をデジタル化するという電子政府構想に基づき実施されているもので、税務申告手続だけではなく法務手続等の他の多くの行政手続も電子手続が既に用意されています。「全ての行政手続を電子化する」ことによって、小さくて効率的な政府を作るというのが、「電子政府構想」のねらいであります。
そしてこの電子政府構想は莫大な費用をかけて既に96%の行政手続のデジタル化が完了し、電子政府というその形式は既にほぼ整っているわけです。しかしその利用者たるや微々たるもので、この電子政府構想のねらいである「全ての窓口業務を簡略化し、窓口業務に携わる公務員の大幅な人員削減を実現する」ということまでは実現していません。いくら立派な制度を作っても利用する人が少なければ、意味がありません。電子申告の普及は、この電子政府の利用者を増やす突破口として位置づけられ、その利用者を増やすために今盛んに宣伝しているというわけなのです。

2.電子申告減税の脅威
平成19年の税制改正の大きな柱として「電子申告減税」が掲げられています。この電子申告減税とは平成19年分又は平成20年分の所得税の確定申告を電子申告によって行った場合に5000円の税額控除が受けられるというものです(この税額控除は最初に電子申告した年分で1回限りしか受けられません)。
この電子申告減税そのものは僅か5000円の減税ですから、それ自体の波及効果はあまり大きなものではありません。しかしながら、この電子申告減税が行われることにより、多くの納税者が電子申告することによって、日本社会のデジタル化は一気に進展することになるかもしれません。しかも、この電子申告減税は、電子政府化構想実現を促進するための第一弾でしかなく、平成20年1月からの「コンビニ納税」や「オンライン登記申請に係る登録免許税の税額控除」等のデジタル化促進策が今年の税制改正に織り込まれています。そしてインターネットバンキングの普及につれて電子納税の利用者が拡大することは明らかであり、電子申告や電子納税、電子申請は当たり前の時代が遠からず到来することになるでしょう。
この行政手続きのデジタル化が進展することにより、国民総背番号制に対するニーズも高まり、国民全員がその個人認証を電子上で行われる社会が到来するかもしれません。そうなると、あらゆる取引がデジタル化され、私たち中小企業の商売のスタイルは全く変わることになるでしょう。

3.デジタル社会でどう生き残るのか!
さて、そのように高度にデジタル化した社会が到来すると、私たち税理士や司法書士、行政書士等の手続き業務を業としている専門業に大きな影響を与えるのは当然でありますが、不動産取引業者や中古車販売業者等の情報の提供で商売しているあらゆる情報業にも大きな影響を与えることになります。
そのような高度にデジタル化された社会が到来すると、アナログで行っている作業の価値が当然ながら変化することになります。画一的な結果しか生み出せない作業の価値は極端に低下し、デジタルではとうてい生み出せない高度なアナログ作業や技術の価値は上昇することになります。
また、デジタル化は必然的にグローバル化を促進しますので、私たちが生き残るためには、デジタルでは実現できない「味」、「癒し」、「満足」等の追求がとても大切です。「味や癒しのある商品創り」すなわち顧客満足の追求はますます重要になります。
(文責 龍前篤司)


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