これからが正念場の中小企業経営
平成19年6月11日
超高齢でグローバルな社会の到来に対応できるか!

1.相変わらず7割の法人が赤字申告!
4月に国税庁から発表された平成17年度の法人税の課税実態調査によると、国内の普通法人の数は283万社でそのうちなんと200万社が欠損法人であることが明らかとなりました。ただし、この「7割の法人が赤字経営」というのは最近始まったことではなく、最近は毎年のように連続しています。
法人税を支払っている法人の割合を過去にさかのぼって調べてみると、下表の通り1980年までは半分以上の法人が税金を支払っていたが、最近20年間は「欠損法人が7割」という状態になっていることが分かります。

西暦 法人数 課税法人数 課税割合
1950 238,531 133,649 56%
1955 382,389 281,714 74%
1960 546,179 391,500 72%
1965 752,536 469,440 62%
1970 986,825 674,800 68%
1975 1,346,476 745,060 55%
1980 1,645,589 824,877 50%
1985 1,902,956 805,933 42%
1990 2,281,721 1,131,207 49%
1995 2,650,201 912,589 34%
1996 2,694,812 918,858 34%
1997 2,667,689 932,753 35%
1998 2,699,881 867,824 32%
1999 2,730,482 825,266 30%
2000 2,766,457 839,090 30%
2001 2,791,841 851,639 31%
2002 2,806,347 839,052 30%
2003 2,790,489 837,266 30%
2004 2,809,691 868,177 31%
2005 2,830,691 884,182 31%

*このデータは、企業数は課税の対象となった普通法人数、課税件数は国税庁の課税事績から拾っていますので、実際の法人数や黒字企業数とは若干異なります。

2.大企業は史上空前の利益
現在、日本のGDPは世界第二位で、上場企業の2006年度の業績は5期連続の経常増益で、時価総額上位200社の経常増益率は10.7%とたいへん好調です。
しかし、法人の99%を占める中小企業の業績は、この表が示すように、最近20年間は「7割の企業が赤字」という状態を続けていることになります。大部分の勤労者が働いている中小企業がこのように長い期間に亘って、赤字経営を続けている状態はとても危険なことであるといえます。なぜならよっぽど体力に恵まれている企業でない限り、20年間も赤字経営を続けられるわけもなく、毎年多くの中小企業が倒産に追い込まれている現実には「中小企業の赤字経営」という根源的な原因があるわけです。いくら「他の企業も同じように赤字だ」と自分を慰めてみても、赤字を長期間に亘って続ければ、民間企業である限り廃業せざるを得ません。
これに対して、「国家財政の赤字」は、1975年からずっと赤字国債を発行し続けているわけですから、既に30年以上赤字経営を続けていることになります。

3.日本丸も中小企業もこれからが正念場!
このように赤字法人が7割という状態が長期間に亘って続き、日本政府もそれ以上にわたって赤字経営を続けているという現状は、たいへん危険な状態に陥っているということをしっかり認識しておく必要があります。日本は国家財政が窮乏していても、国民が豊であるため心配する必要ないという楽観的な意見がありますが、日本の経済活動の基本を支える中小企業の7割が赤字という状態が続いている限り、日本の未来は明るいなんていえるはずがありません。   
現在における大企業の「史上空前の利益」さえ、中国の世界の工場としての経済発展に支えられているといっても過言ではなく、この大企業を潤す景気がいつまで続くのかは保証の限りではありません。製造業を中心とした一部の中小企業はこの大企業の好景気に支えられ、利益をあげていますが、国内市場で勝負せざるを得ない多くの中小企業は赤字経営を余儀なくされています。   
しかし、これからまさに本格化する「超高齢化社会」や「超グローバル社会(デジタル社会)」を展望すると日本も中小企業もまさにこれからが正念場といえます。

4.モノマネではなく本物の経営を!
世界第二位の経済力まで登りつめた日本を支えたのは中小企業であり、前に掲げた表の通り、高度経済成長期には圧倒的な数の「元気のいい中小企業」が増加していたわけです。これからの日本経済を支えるのは「赤字企業」ではなく、発展する黒字企業でなければなりません。そして、発展する黒字企業になるためには、モノマネではなく、これからのニーズに対応した魅力ある本物の商品やサービスを提供しなければなりません。
本物の中小企業経営のためには

@ 自分の頭で考えること
A 本業(本物の商品)を選択して、他(モノマネ商品)を捨てること
B 国や景気に頼らない(自分に責任を持つ)
ことがポイントになると思います。これからが中小企業経営者にとって正念場です。
(文責 龍前篤司)


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