急速に近づく超グローバル化社会の脅威!
平成19年6月19日
モノマネ商品やサービスにまけない独自性を磨け!

1.中国とインドは日本を圧倒的に凌駕する
6月17日の読売新聞に載った、政策研究大学副学長白石隆氏の記事(「秩序安定へ日米連携」地球を読む)にたいへん興味深いデータが紹介されていました。それは、「日本経済研究センター」の世界経済長期予測のデータであります。それによると、日本の現在のGDPはアメリカに次いで世界第2位ですが、長期的な予測をするために、購買力平価によるGDPで比較した場合には、下表のとおりに推移していくことが予測されています(購買力平価による比較となっているのは、経済発展段階の異なる国家間の経済規模の比較のためには、名目GDPによる比較より購買力平価で比較したほうが長期予測しやすいためです)。

<購買力平価ベースのGDP長期予測>(単位:千億ドル)
日本 中国 インド 米国 EU
2000 32.7 49.6 24.5 95.9 102.6
2005 34.7 77.3 33.8 110.9 111.6
2020 42.4 173.3 70.7 167.5 145.2
2030 47.1 251.6 103.0 214.1 163.1
2040 49.9 304.2 144.0 271.7 181.1
2050 49.9 333.9 191.2 339.6 198.9

この長期予測によると、
@ 中国の経済規模は2020年には日本の4倍、30年には5倍、50年には7倍になる。
A インドの経済規模は2020年には日本を凌駕し、2050年には日本の4倍となる。
B 米国の経済規模は2020年には日本の4倍になるが、中国には抜かれてしまう。
ということが、予測されています。

2.超グローバル社会とは・・・・
このように現在の世界経済は、地球的な規模で激しく変化しており、私たちが当然のように思っている「経済大国日本」という国際的な地位は決して安泰ではありません。
前回の「武蔵経営からのお知らせ(117号)」に載せたとおり、私たち中小企業経営者が将来を展望するときに最も注目すべき重大な変化は、@超高齢化社会の到来、と
A超グローバル化社会の到来です。
このように世界的な規模で経済発展が予測されるのは、超グローバル社会の到来だからこそです。
従来の社会では、グローバル化が進んでいなかったために、各国の経済は閉鎖的であり、国内消費が中心の経済でした。そのため、先進諸国と発展途上国の間には大きな壁があり、それぞれの国の経済発展はそれぞれの特殊な事情に大きく左右されていました。
しかし超グローバル社会では、ヒト、モノ、カネ、情報、が世界的な規模で瞬時に飛び交うことになるのですから、現在の状態に満足していては、あっという間に発展途上国に抜き去られてしまうということです。

3.驚異的なe-Tax(電子申告)の普及
国税庁が5月28日に発表した、平成18年分の所得税及び消費税の確定申告状況によれば、e-Tax(電子申告)を利用した申告件数は、所得税と消費税を合わせて59万3千件に達したことが明らかとなりました。この件数は前年対比でなんと13倍となっており、国税庁が平成18年度の最も重大な目標としていた「電子申告の普及促進のため目標としていた普及率2%を上回っています。
以前にもお話したとおり、電子申告自体は手続きの問題であり、そのこと自体に重大性があるのではありません。このe-Taxを利用する人が急激に増えることが社会に及ぼす影響が重大なのです。すなわち、来年と再来年は「電子申告減税(電子申告すると所得税が5000円減税される)」の年であり、今年のe-Tax利用者の急増は、確実に来年からの電子申告の爆発的増加を予想させます。
これにより政府の狙う「電子政府構想」による行政コストの大幅削減が実現に向かうことはたいへん喜ばしいことなのですが、この「デジタル化の普及」は同時にグローバル化をますます推進することになります。

<電子申告の利用状況>
  17年分 18年分 増加率
所得税 35千件 491千件 1408%
消費税 10千件 102千件 1058%

4.超グローバル化社会の中小企業経営は?
超グローバル化社会の到来を前提に考えると、現在好調な輸出関連産業はもちろん、国内市場を相手とする非輸出産業も、世界を相手にせざるを得ない時代が到来します。デジタル化社会は世界中の距離と時間の壁を破壊し、世界中の企業が国内市場の競争相手として登場してくるからです。流通や飲食はもちろん、私たち税理士等のサービス業でさえ、既に国際的な競争時代が始まっています。
わが国は、これから急速に経済発展していく中国やASEAN諸国に囲まれています。今までは海に守られ、発展する経済に育まれ、増加する人口に援けられ、国際的な評価にも守られ、米軍に守られながら、私たち中小企業は発展することができました。
しかし、超グローバル社会の到来は、私たちを地球規模の大きな市場に放り込みます。だからこそ、自らの商品やサービスの独自性を磨き、他国のモノマネ商品に負けないようにしなければなりません。

(文責 龍前篤司)


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