| 〜税制改正はどうなるのか?!〜 |
| 平成20年4月25日 |
| 税制改正法案が迷走している内外への影響 |
1.税制改正法案は未だ成立していません!
平成20年の税制改正法案は未だ成立をみないまま、参議院で審議が継続中ですが、今月の30日になれば衆議院の2/3による再議決で成立が可能となります。しかしこの再議決を巡っても、予断を許さない状況であり成立の目処が立たない異常事態となっています。
本来、毎年3月末までには予算の成立と同時に予算関連法案である税制改正法案は成立しなければならないのですから異常事態といえます。このように本来のスケジュール通りに改正が行われないと、多くの税制の優遇措置等が3月末までの前提で手当されていることから、深刻な影響を与えることになります。毎年、世の中は前年12月の税制改正大綱の決定から、税制改正がその通り成立することを前提に動き出していますが、今年は安易にそう考えては危険です。
2.平成20年3月31日で適用期限切れの税制!
平成20年の税制改正が成立しないことによる影響は、4月1日からガソリンの値段が下がったことだけでは終わりません。一部の優遇措置については、「つなぎ法案」が成立しているため、5月31日まで延長されています。しかし、その手当てがされずに、その適用期限が切れてしまう税制で、注意しなければならないものをあげてみましょう。
| (1) |
住宅取得資金の贈与に係る相続時精算課税制度の特例
この特例は住宅取得資金を贈与する場合において、通常の相続時精算課税制度の非課税枠である2,500万円に1,000万円上乗せできる制度です。この特例の適用期限は平成19年12月31日までであり、今回の税制改正で2年間延長され、1月1日に遡って適用される予定でした。
この制度はハウスメーカー等の勧めもあり、盛んに利用されている特例ですが、その延長手続きが遅れたとしても、この特例は納税者にとって有利な延長であるため、1月1日に遡って適用される予定であるため心配ないものといわれています。
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| (2) |
交際費等の損金不算入制度
法人の交際費が原則として損金に算入されないというとても重大な特例(中小企業には損金に算入できる枠が設けられています)も、平成20年3月31日でその適用期限が切れています。したがって、4月以降は改正法案が成立しない限り、交際費は全額損金算入できるとも考えられますが、法案が成立すれば、不利益改正であるけれども4月1日に遡って適用されると、国会で答弁されています。 |
| (3) |
中小企業等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例
この特例は、中小企業者(資本金1億円以下の法人)が取得した30万未満の減価償却資産は、その取得時に全額損金にできるという制度で、平成18年4月1日〜平成20年3月31日までの適用期限とされている制度です。
この制度は、中小企業で盛んに利用されている制度ですから、この適用ができなくなればたいへんな影響がありますが、有利改正なので遅れて延長されても4月1日に遡って適用される見込みです。
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| (4) |
新築住宅に係る固定資産税の軽減特例
この特例は、新築住宅について固定資産税を1/2にする特例です(木造は3年間、3階建て以上の耐火構造は5年間)が、この適用期限も3月31日で切れたことになります。ただしこの特例も有利な延長であるため、遡って適用されると思います。
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以上のように、様々な重要な税制が現在宙ぶらりんの状態だということに留意すべきなのです。
3.成立しないと適用できない新税制!
有価証券税制の優遇税制の適用は今年の12月31日までであり、3月31日で期限切れとはならないので心配ないし、今年の税制改正での最大の目玉である事業承継税制(事業承継の場合の80%の納税猶予制度)も、元々今年の10月からの適用を予定していたため今のところ影響ありません。
しかし、今年から新しい制度として新設される予定であった
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(1) |
住宅省エネ改修促進税制 |
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(2) |
長期耐用住宅(200年住宅)促進税制 |
等は、せっかくの新制度ですが、未だ成立していません。ただし、これらの新税制も有利改定であることから、遡って適用される見込みです。
4.税制が政争の具となることによる日本の国際的信任の低下
以上のように今年の税制改正法案は、例年であれば当然成立していなければならない時期に成立しないという異常な事態に直面しています。このことは、単に国内の中小企業の経営や国民生活に悪い影響を及ぼすばかりではなく、日本の国際的な異常性や問題解決能力のなさを露呈していることがもっと大きな問題であると言えるかもしれません。
なぜなら、世界の先進諸国の中でも突出した財政赤字を抱える日本が、まさにこれから超高齢化社会を迎えるなかで、毎年の税制改正さえ適切に処理できない状態を国際的にあからさまにしているからです。日本が国際的に問われているのは、世界一の赤字財政を健全化するための方策をとることであり、少子高齢化が急激に進捗する中で年金や保険制度を新しい社会に適合するよう再構築することなのです。
このような深刻で大きな問題を抱えているにもかかわらず、ガソリン税の暫定税率のことでさえ適切に処理できないのですから、消費税の税率を上げて新しい社会に適合した税制を構築することなど到底不可能であると国際的な信任が低下するのは当たり前だと言わなければなりません。
前にも述べたとおり、日本の構造的な改革は、国家の基本たる税制構造の改革なしには不可能なのです。
(文責 龍前 篤司)
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