武蔵経営 不動産所得がなくなる?! http://www.musashikeiei.com
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ニュース228号 サラリーマンの年金アパートに暗雲 発行  2005/7/8
税理士法人武蔵経営  熊谷 中西2−7−31、 さいたま 大宮区大門町2−108永峰ビル5F
サラリーマンの年金アパートの損益通算の排除が狙い?
 先月、政府税制調査会が発表した「個人所得税に関する論点整理」によると、給与所得控除、扶養控除、配偶者控除など、様々な控除が縮小・廃止され、「サラリーマン増税」といわれているが、それ以外に「不動産所得の廃止」も議論の対象となっている。もし「不動産所得の廃止」が実現すると、小規模な不動産貸付は雑所得に分類され、損失が生じても損益通算ができないことになるのである。
 この税制改正のねらいはサラリーマンが将来の年金不安に備えるために、小規模な不動産投資を行ういわゆる「年金アパート、年金マンション」の損益通算を禁止することにあることになる。ただでさえ、所得控除の縮小や社会保険料負担の増加によって、サラリーマンの生活は苦しくなることが予想されるのに、将来不安の緩和のために投資したマンションやアパートに対する課税が強化されるのではたまったものではありません。 所得税の増税が必要な事情もわかりますが、アパートやマンションを購入して賃貸収入を身につけようとするサラリーマンの自助努力についてまで課税するのは理解に苦しむところです。
楕円: 事業所得     損益通算可
楕円: 不動産の貸付による所得
楕円: 全て不動産所得=損益通算可
右矢印: 来年の改正?
楕円: 雑所得
損益通算不可
サラリーマンのマンション投資は大幅増税!
<設例>  サラリーマンのAさんは、将来の年金不安に備えて都内にマンションを4,000万で取得した。このマンションを毎月10万で賃貸し、副収入を得ているが、経費も年間200万ほどかかっている。Aさんの給与所得は700万である。
H16年のAさんの所得税 不動産所得が廃止されると
給与所得 7,000,000 給与所得 7,000,000
不動産所得 -800,000
雑所得 (損益通算不可) -800,000
総合所得の合計
6,200,000
総合所得の合計
7,000,000
所得税は16万増加、住民税は8万増加
給与所得控除に関する議論は疑問!
 今回の論点整理の中で、もう一つ重大な議論は「給与所得控除の縮小」である。政府税調によれば、給与所得控除は、実際のサラリーマンの必要経費に比して高額すぎるから縮小しようというのである。 この議論でとても疑問なことは、「給与所得控除額は本当にサラリーマンの必要経費額に比較して多額すぎるのか?」ということである。そしてこの給与所得控除を縮小する代わりに「サラリーマンの実額控除」の認められる範囲を拡大しようというのである。
<従来のサラリーマンの必要経費として認められる費用>
@一般の通勤者として通常必要であると認められる通勤費
下矢印: 実額控除の範囲の拡大
A転勤に伴う転居のために通常必要であると認められる費用のうち一定のもの 従来はこれしか必要経費
B職務に直接必要な技術や知識を得ることを目的とした研修費 を認めなかったため、
C職務に直接必要な資格を取得するための支出 全国で10人しか実額控除
D単身赴任などの場合の自宅との旅費のうち一定のもの の申告をしていない
この実額控除の範囲を拡大しようというのであるが、その内容については未定である。考えられるのは、「交際費」や「背広代」等であろうが、無制限に認めるはずはなく、これによって、多数のサラリーマンが実額控除をするとすれば、これに対応する徴税費用が増加することになり、そもそも何のためのサラリーマン増税か解らなくなるであろう。