武蔵経営 「定期所有権方式」の普及を! http://www.musashikeiei.com
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ニュース 230 定期借地権の一時金についての比較 発行  2005/8/8
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「定期所有権方式」による活用こそ新しい時代を拓く!
 地代前払い方式の定期借地権についての税務上の取扱が明らかとなった(FAXニュース229号で紹介)が、定期借地権の「地代の全額前払い」は都内の一等地であれば、その需要もあるであろうが、埼玉県の住宅地となるとはたしてユーザーが地代の前払いをしてくれるか疑問が残ります。平成4年の定期借地権デビュー時には、最初の一時金課税を避けるために保証金方式が考えられたわけですが、この方式による定期借地権の利用があまり進んでいません。
 資産デフレが進行し、日本の人口が減少していくというのに、ミニ開発の狭小住宅の所有権分譲が盛んになされています。「所有の時代から利用の時代へ」と言われて久しいのに、相変わらず所有権のために「長期ローン漬け」となり、土地に縛りつけられています。地価が下落することがわかっていても所有権に拘るのは、孫子の代までその土地の所有権を残したいのではなく、「借地権だと面倒だし、不安だから所有権にする」という人が殆どなのです。
 そこで、50年間、全く所有権者と同じようにその土地を支配することができる地上権(定期所有権:リースホールド)が約半額で購入できれば、その方が借地人も地主もハッピーなのではないでしょうか?今年の初めから話題になっている「地代一括前払い方式」と、従来の「保証金方式」、そして「定期所有権方式」を比較してみました。
定期借地権の3つの方式を比較すると
 <前提>課税所得1千万の人が時価1億円の土地に、固定資産税を控除した年間の手取り地代120万で50年間定期貸地する(この土地の相続税評価は8,000万円、借地権割合60%地域、長期基準金利1.5%とする)。
項  目 保証金方式 地代前払い方式 定期所有権方式 摘  要
想定したケース 設定時に2000万の無利息保証金を授受し、地代は年間120万を毎月10万ずつ50年間支払う。 50年間の地代総額6000万を一括前払いし、その後は固定資産税相当額分だけ地代を授受する 50年間無償使用できる地上権の対価として6000万を授受し、固定資産税は買主が負担する 想定としては、事業用ではなく居住用地域を前提としている。その前提で考えると、「地代前払い方式」は無理がある?
(これ以外の課税所得が1000万あるものとする)
 所得税・住民税の課税 権利設定時の一時金への課税 業務系に使うか金融資産で運用する限り非課税 未経過の前受け地代には課税されない 6000万は譲渡所得として課税される 定期所有権方式は、最初に譲渡所得課税を受けるが、現在の譲渡所得税率は国税地方税を合わせて20%という低率であり、不動産所得などの総合所得で考えたら課税所得330万を超えると譲渡所得で課税されたほうが安いことになる。
地代への課税 不動産所得として毎年120万×50年が課税対象 経過分が毎年120万ずつ不動産所得として課税 課税されない
所得税の総額 毎年516,000円の50年分で総額2,580万円 毎年516,000円の50年分で総額2,580万円 6000万×0.95×20%=1,140万円
税引き後手取 3,420万円 3,420万円 4,860万円
 相続対策としての効果 貸付地の評価額 設定当初4,800万円、期間の経過とともに逓増する。 設定当初3,200万円、期間の経過とともに逓増する。 設定当初3,200万円、期間の経過とともに逓増する。 地代前払い方式と定期所有権方式では債務控除できないが、当初やり取りをする金額が大きければ、底地の評価額もそれに比例して低くなる。ただし、一時金を預金等の金融資産で運用していればこれも相続税の対象となることに注意。
債務控除額 当初950万円が逓減する(2000万円が残存期間に応じた複利原価率で圧縮) 前受け地代の未経過分は債務控除できない 債務は不存在
差引き評価額 3,850万円から逓増 3,200万から逓増 3,200万から逓増
地主のメリット・デメリット メリット 毎月地代が入るので、後継者の生活や経営が楽 将来の地代を前受しているので滞納の心配がない 全ての収益を確定的に最初に受領し、地代改定なし いくら地主に有利であっても、ユーザーに受け入れられない制度は普及しない。今後の人口減少・高負担時代の到来を考えると、地主にとっても最初に全ての収益を確保してしまう定期所有権方式こそ安全・確実な土地利用法といえる。
定期的に地代を改定するので、インフレをヘッジできる 前受地代を運用できる 返還の必要がないので資金は全く自由に使える
デメリット 定期的な地代改定が必要であり、保証金は返還が必要 地代が著しく不相当の場合、地代改定が必要となる 収入は最初だけ
借地人との煩雑な関係が継続し、滞納等のトラブルもありうる 中途解約の場合、前受地代は返さなくてはならない 最初に課税される(ただし、20%と低率)
借地人にとってのメリット・デメリット 保証金にローンを利用するのが困難であり、毎月の地代や定期的な改定が煩わしい よほどいいところでない限り、全契約期間の地代を前払いするのは困難? 地上権の設定対価であれば、ローンも容易で、ユーザーにとって最も望ましい
                     
 以上のように、今年1月に出た定期借地権の新しい方式「地代前払い方式」は、最終的に定期所有権方式が登場することによってその歴史的な役割を果たすような気がしています。ただし、全く私の希望的私見であることをお断りをします(文責 龍前 篤司)。